「百貨店って。デパートでしょ。おじぃちゃんみたいなコトいうんだね。あはは。おかしー」と言われました。
でもね、大丸心斎橋店や南海高島屋、阪急百貨店の威容をみれば、どうしても「デパート」という軽い語感では呼びたくない。
似合わない。
やはり百貨店といいたくなります。
それで大丸百貨店です。
大丸さんは百貨店の中でもおいらが一番好きな百貨店です。
大丸京都店限定のデッチー(丁稚)くんストラップも買い求めたほどの大丸ファンです。
大丸が好きな理由は
①創業地が伏見(学生時代過ごした街。いまでも大好きな街)
②先義後利が社是。大塩平八郎の乱でも「大丸は義商なり。犯すなかれ」とされ打ち壊しを免れたほど。
③大阪系百貨店として戦後、東京の一等地(東京駅内)に出店。成功したこと。「大阪」という街の力量の一端を東京の一等地で示し続けていること。
④関西の商いのよき伝統を東京や札幌でもいかんなく発揮していること。
⑤店員さんが非常にスバラシイ。
⑥だいまるゴチパラ館(デパ地下)が最高ー。
⑦心斎橋が斜陽になったときに空き店舗を借り上げ、風俗店などになることを防いだ。心斎橋の格を守り、結果とし「そごう」が心斎橋に戻ってくることに寄与した。
⑧名古屋の誇り「松坂屋」を実質飲み込んだ。関西に憧れがあり東海地区にいたくない管理人としては溜飲が下がった。合併がリークされたときの中日新聞は保存してあります。
と言ったところ。
その大丸でも神戸店(こうべみせ。大丸は心斎橋・京都・梅田・神戸では「みせ」といいます)は建物の立派さが際立つ店舗。
初めて入ります。
たしかに京都店や心斎橋店に比べてもワンフロアーが大きいです。
ヨメが新生銀行でお金をおろしたい、とリクエスト。
大丸の受付のかた曰く、店内には新生銀行対応のディスペンサーはないとのこと。
新生銀行の場所を聞いたら
「元町口を出ていただいて、山側へ歩いていただきまして・・・」
この「山側」というのは神戸独特の言い回し。
神戸は北に向かうことを「山側へ行く」、南側にいくことを「海側へ行く」といいます。
神戸を実感です。
「山側=北」という独特の用語を聞いたときに「ああ、神戸にいるのだな」と想いました。
まさに「お伽の国・神戸」を実感するのです。
ちなみに京都は北行きを「上ル(あがる)」南行きを「下ル(くだる)」東行き「東入ル(ひがしいる)」西行きは「西入ル(にしいる)」と言います。
さて、新生銀行でお金をおろし、買い物準備万端です。
ヨメが行きたかったテナントは大丸に入っていないようです。
おかしいな・・・。
実は、大丸のテナントながら本館とは離れた場所にあるのです。
大丸は元町にあるのですが、元町の南側は旧居留地と呼ばれる地区です。
旧居留地は昔は港のすぐ近くでオフィス街だったのですが、港が移ってしまい、80年代までは「旧居留地は老朽化したオフィスビル街」というイメージでした。
近代建築の保存運動や、大丸所有の近代建築のリノベーションを契機に生まれ変わります。
面として近代建築を保存、ライトアップなどで活用するようになります。
また外国資本の店舗も「大丸本館内ではなく、近くにある○○ビルにならテナントを出してもよい」などと考えるようになり、一躍、旧居留地は活気を帯びます。
「東洋最大の貿易港」にあった本店なり支店です。
作りのよさは、失礼ながら他の港町になるレトロ建築とは大きさ・質ともの異なります。
日本の企業としては外国人にその企業が立派であり、「日本というの国・その企業は、意外と大した国らしい」と思わせるための建物です。
外国の企業にすれば、日本で企業の存在感をアピールする看板です。
また、神戸が港町としての活気と役割を失わなかったわめ、近代建築もずっと使われてつづけていたため、一個、二個のポイントとして残っていたわけではなく、面として残っていたのも大きな特徴です。
いつも建築物をみて思うのは、
「建築物には説得力がある」ということです。
明の皇帝がいかに巨大な権力を持っていたかは、歴史の教科書でもわかりますが、万里の長城をみれば、その権力の巨大さを痛感します。
ルイ14世のヴェルサイユ宮殿も絶対専制君主、当時のフランス王国の巨大さを偲ばせます。
アメリカがいかにパワフルな国であるかを理解するためには、年表や経済統計を見るよりもニューヨークやシカゴの摩天楼を見るのが一番です。
まさに建築には説得力があります。
その旧居留地の近代建築内・海岸ビル(旧三井物産神戸支店)にヨメの行きたいお店は入っていました。
今ではイオンやダイヤモンドシティといった郊外型SCのテナントとしても入っている英国発祥のお店ですが、やはり「英国テイストのものを、港町神戸の旧居留地内のレトロな近代建築のなかで買う」ということがタマラナイらしいです。
それに店舗面積も広いので品揃えが豊富です。
大満足したようでした。
買い物あとのヨメの笑顔は今年一番の笑顔でした。
優れた建築が優れたテナントを呼び、そこで買い物した人は、店舗の雰囲気・商品ともに満足します。
優れた建築は人をより幸せにするものです。
よかったねヨメ。!(^^)!
最後はやはり大丸ポイントカードを提示したらしいです。
やはり大丸のテナントでした。
おいらは、ヨメの買い物の間に旧居留地の近代建築を撮影しまくりです。
デジカメが火を吹きます。
ということで写真をアップしておきます。
旧居留地は素敵です。
北野町山本通の異人館街が「観光地」なのに対して、旧居留地は「神戸人の大人の街」というカンジらしいです。
みなさんも「一歩上の「大人の神戸の旅に旧居留地」はいかが。
イイッスよ。