神戸花鳥園のあとは神戸空港(通称:マリンエア)に行きました。みみずくに大興奮です。行ってよかった。
神戸空港行きました。おいらは「都市」というものに非常に興味があります。
みちのくの寒村で生まれた反動でしょうね。
街をみると楽しくて、楽しくて。
都市つながりで、高層ビル・空港・私鉄・百貨店・劇場と「都市の装置」が大好き。
そこでポートアイランドの先にある神戸空港を見たいっ! と思ってました。
花鳥園からも近いしね。(ポートアイランドの先の島にあります)
神戸スカイブリッジをわたりポートアイランドから神戸空港島へといきます。
以外に近いです。
ある人(かりにA氏としましょう)の話によると、神戸空港が開港したばかりのころ、このスカイブリッジの中央分離帯の上には「神戸空港には見物の方用の駐車場はありません」とひつこく看板が置いてあったとのこと。
それを間にうけてかスカイブリッジを歩いていくカップル(見物客)もチラホラいたとか。
A氏はとっさに思った。
「こいつら絶対関西人ちゃうわ。関西人なら『行ったらなんとかなるわ』って思うもん」
そして実際に『行ったらなんとかなった』らしい・・・。
神戸空港に到着。
昨年、中部国際空港(セントレア)に行ったときは駐車場から空港カウンターまでが遠くていやになりましたが、神戸空港はメサ近。
すぐです。
またポートライナーも空港のすぐ近くというより、上にありメサ近い。
小さい第三種空港であることを利用して非常に使いやすくできてます。
国内ならぼろっちぃ伊丹より神戸のほうがいいかも。
三宮から16分で着くというし。
アクセスいいです。
また、関西国際空港との間を高速艇が約30分で結ぶ航路が新設されたとのこと。
同じ海上空港同士。
なかに入るとゴールデンウィークということもあり見物客のかたが多かったです。
綺麗な空港ですし、デザイン的に神戸市街が一望できるようになっています。
今回はいきませんでしたが、中華料理のバイキングのお店が入っています。
このお店、窓が山側にあるらしいです。
海の近くにある空港はたくさんあるけど、100万ドルの夜景を見れるのは神戸空港だけ、ということでしょうか。
このように神戸という街が自己演出に熱心な街です。
神戸空港は小さいながらも非常に機能的です。
小さい第三種空港をうまく利用したな、という感じです。
全体的な造作は簡素です。
簡素という意味では中部国際空港と同じで関空の対極です。
個人的な好みでいうと、空港というのは「都市の玄関」です。
玄関はデラックスなほうがいいんじゃないかと。
同じ意味で駅とかも。なにかその都市を端的に感じられるようなものにしてほしいなと。
実はこの神戸空港ができるには複雑な経緯がありました。
20年以上前の話ですが、関西空港を作るときの第一候補地が神戸沖だったのです。
これには神戸市が反対します。
理由はいろいろあったのでしょうが、当時は伊丹空港(大阪国際空港)の騒音が問題となり裁判で争われていた時期でもありました。
騒音被害ということが反対の大きな理由だったのではないでしょうか。
しかし、時は流れ、航空機の性能も飛躍的に向上し、騒音も抑えられるようになりました。
神戸市は逃がした魚の大きさに気づきます。
それに阪神淡路大震災です。
「東洋一の貿易港」と称された神戸の港湾施設も大打撃を被ります。
航路は神戸港から大阪南港など、ほかの港に移ってしまいます。
航路は一度かわるとなかなか戻ってきてくれません。
港湾施設が破壊され、航路も失った神戸・・・。
まさに「港町・神戸」の死活問題です。
そこで、もうひとつの港、つまり空港の建設となったわけです。
しかし、関西には既に大阪国際空港・関西国際空港と2つの大きな空港があります。空港は
第一種空港:国際航空路線に必要な飛行場
○成田・羽田・中部・伊丹・関西(5つのみ)
第二種空港:主要な国内航空路線に必要な飛行場
○新千歳・仙台・新潟・八尾・広島・高松・福岡・新北九州・那覇等
第三種空港:地方的な航空運送を確保するため必要な飛行場
○利尻・庄内・能登・神戸・鳥取・佐賀・離島にある空港の多く・そのほか。
と分類されています。第一種は設置・運営とも国。つまりは国営空港です。
第二種でも大きな空港は設置・運営とも国。
そうでないものは設置が国・運営は県です。
第三種は設置・運営とも地方地自体が行うもの。
大阪国際空港(伊丹)・関西空港は日本に当時、4つしかなかった国際空港です。
京都商工会会頭の稲盛さん(京セラの創業者)が「神戸はエゴを抑えるように」と苦言を呈します。
もう一つ空港なんているのか、という世間・国土交通省の懸念を跳ね除け神戸空港は開港します。
但し、第三種空港なので国内線のみです。
市営の第三種空港の扱いで開港します。
旭川・帯広に続く日本三番目の市営空港です。
空港反対論で最も大きいのは「あんなところに空港を作っていったい誰が乗るのか。得をするのは土木業者だけではないか」と。
しかしこの議論から抜け落ちているコトがあります。「誰が乗るのか」は旅客のことですが、空港には「旅客」と同時に「貨物」というこ
とがあります。
この貨物は大事なことです。
10年ほどまえ、中学生の塾の講師をしました。社会のテキストにこのような<問>があり
ました。
<問>
最近は九州や東北への精密機械を中心とした工場立地がいちじるしい。理由を○字以内で書きなさい。
どうです?みなさん答えられます? 正解は、
<答>
人件費が安いこれらの地域に、高速道路、空港などの高速交通網が整備されたため。
です。つまり田舎で作れば人件費が安く、高速交通網のため「必要なとき必要なだけ」というジャストインタイムが可能となった、ということです。
在庫を抱えなくてもよい、というのは工業品生産の現場においては重要なことらしいです。
空港というのは旅客だけでなく貨物があるということ。
時として空港は「無駄な公共事業」の代名詞として扱われますが、「貨物」のことを含めて論じたものは、おいらは寡聞にして知らない。
神戸市も旅客だけでなく貨物(ひいては工業生産)も視野に含めて、空港が欲しかったのではないでしょうか。
事実、ポートアイランド2期には理化学研究所が立地し、次世代スーパーコンピュータの誘致に成功しています。
また4月27日には医療系企業5社がポートアイランド2期に進出することを発表しています。 空港ができて産業立地にも効果てき面です。大学も3つ移ってくるらしいです。
阪神大震災のあと、「神戸空港を作って土建屋、一部の議員を潤すよりは、被災者に福祉
を」という論調が大きかったです。しかし、
神戸空港開港→企業立地促進→雇用の創出→賃金やら流通経費・資材購入で神戸にお金が流入→神戸全体が潤う。
という流れも、神戸市民の経済的安定ひいては幸福に寄与するものかと思います。
何もなかった海の上に島をつくり空港を拓き、道路とポートライナーで結ぶ-壮大な建設事業です。
その結果、神戸はより便利になり産業立地も進み、都市としての力を取り戻す。
と、まぁこんなこと考えつつ「マリン・エア」を堪能したわけですよ。
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