<完成したツインタワー>
岐阜新聞WEB:JR岐阜駅前ツインタワー構想 新たに超高層ビル 2007年06月26日09:07
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岐阜市のJR岐阜駅北側に広がる問屋町西部南街区に地上37階建て、高さ136メートルの超高層再開発ビルを建設する計画が25日、明らかになった。
今年10月中旬にオープン予定の超高層ビル「岐阜シティ・タワー43」(高さ
約163メートル)と歩行者デッキでつながるツインタワーとなる構想で、中
心市街地の活性化にさらに弾みがつきそうだ。
(中略)
1、2階は商業施設、1―6階は業務施設、7―33階は分譲住宅(約200戸)とする。
1―8階までは駐車場(約400台)も整備する。
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岐阜市の再開発情報。
かつては繊維産業の街として栄えた岐阜ですが、数年前までJR岐阜駅周辺は酷いものだった。
北側は繊維問屋街。
昼でも薄暗くシャッターが降りてい店舗が多い。
人通りもまばら。
南側は有名な「金津園」。
ソープランド街だ。
県都の中心駅の南側がソープランド街!!
転勤で岐阜にきたときはショックでだった。そんなJR岐阜駅周辺もここ2年ほどでずいぶん綺麗なった。
高層ビルが1棟たった。
非常に目立つ。
そして上記のニュース。
もう1棟、高層ビルが立つようだ。
しかし問題は駅前の一等地にもかかわらず、マンションメインの建物ということ。
しかも駐車場がかなり充実。
Q1.住人はどこに通勤するのでしょうか?
A1.名古屋です。
Q2.なぜ駅前なのに駐車場が必要なのでしょうか?
A2.買い物のためです。
この2点こそが現在の岐阜市の抱える問題点なのだ。
【Q1について】
JR岐阜駅からJR名古屋駅の新快速で19分です。
近い、あまりにも近い。
「名古屋支店からJRで岐阜駅へ→駅周辺の契約駐車場にとめた社用車で県内へ営業」というパターンが増えているらしい。
岐阜支店は名古屋支店へ統合だ。
岐阜市は県都であるにもかかわらず、拠点性を失いつつあるのということだ。
もともと、岐阜は名古屋依存の強い地域。
「岐阜は名古屋の植民地」なんて本がベストセラーになったこともある。
岐阜新聞よりは中日新聞
岐阜放送よりは東海テレビ
岐阜放送よりはCBCラジオ
十六銀行よりは東海銀行
JRが新快速を走らせ、岐阜名古屋間を19分で結ぶことにより、名古屋依存がさらに加速。
拠点性を奪われることになった。
職場は岐阜から名古屋へシフトしてしまった。
【Q2】
岐阜市の中心市街は名鉄岐阜駅周辺。
JR岐阜駅からは微妙に離れている。
近年、JRの追い上げは凄まじいものがある。
私鉄(=名鉄)は苦戦している。
名鉄は岐阜市周辺にあった3路線(路面電車)を廃線にした。
車がないと人口40万人の岐阜市においても生活がしにくい。
中心市街の渋滞はひどく、駐車場代も発生する。
どんどん中心市街から客足は遠のいていった。
パルコも高島屋も、名古屋に先立って岐阜に出店しました。
現在、パルコは閉店、岐阜高島屋も苦戦している。
岐阜高島屋のライバルは、皮肉にも新しく出店したJR名古屋高島屋だ。
美川憲一の唄にも歌われた「柳ケ瀬」はどんどん寂れていき、中心市街からは商業施設の撤退が相次いだ。
ダイエー、近鉄百貨店、パルコ、新岐阜百貨店、センサー・・・・。
いままで、中心市街に来ていた客はどこへ行ったのか?
職場同様、名古屋だ。
岐阜名古屋間は道路の規格もよく、30分程度で名古屋駅周辺までいける。
あとは岐阜市周辺にある巨大SCだ。
マーサ、カラフルタウン、リバーサイドモール、モレラ岐阜、と供給過剰が心配されているほど揃っている。
つまり岐阜市はオフィスや商業施設という都市の拠点性が流出しているのだ。
いままでは、県都として拠点性を高めるために必死だった。
岐阜市も岐阜県も。岐阜県の悪名高い「ハコ物行政」は「拠点性」を維持しようとする施策の表れだったのだ。
最初に紹介した高層ビルはマンション中心の建物だ。
ホテルは入らない。
つまり岐阜駅周辺は名古屋のベットタウン化していることの表れではないか。
岐阜市のライバルは名古屋からベットタウンの春日井市や一宮市に移っていくのではないか、またベットタウン化を前提とした街づくりが必要ではないか、と思えるようになってきた。