<八草峠付近にある木柱。地元の小学校の行事で建柱されたらしい。96年が最後とか>
湖北地域振興局 木之本建設管理部>周辺情報>古道紀行
◆北近江と西美濃を結ぶ八草峠
八草峠は、滋賀・岐阜県境にある金糞岳と土蔵岳の中間に位置します。現在行っている国道303号バイパス工事のうち八草トンネルが平成13年に開通するまでは、国道303号がこの峠を通っていました。
昭和25年にできた八草林道が県道となり、昭和43年に国道に昇格したものです。
この道路ができるまでは、400mほど北にある日の裏峠(越え)、さらに北の登谷とイ坂を結ぶ旧八草峠が、北近江と西美濃の交流を支えていました。
旧八草峠は、久加(日坂)越えといわれ、山を埋める樹木の中にきこり道が細々とついているだけでしたが、近江の金居原と美濃の川上、徳山を結ぶ主要な峠でした。
この峠には、彦根藩2代藩主井伊直孝が領地検分の折りに植樹したといわれる松があり、直孝松と呼ばれています。
幾重もの山並みにへだてられた北近江と西美濃でしたが、今日考えられる以上に交流は活発だったようです。
婚姻による人の交流をはじめ、炭、薬草、楮(こうぞ:美濃紙の原料)等の物資、情報、文化、あらゆる面で強い結びつきが認められます。
山を生業とする人々にとって山並みはへだたりではなかったようです。
国道303号バイパス工事の全体が完成すると、これまで60分かかっていた木之本町金居原~揖斐郡坂内村川上の峠越えが、僅か12分になります。
滋賀・岐阜両県のさらなる交流や連携、地域の活性化に大きく役立つものと期待されます。
▼北近江と西美濃が結ばれて交流が生まれるといいですなぁ~。